Cibi tradizionali : ヴェネトの伝統料理

サルデ・イン・サオル/Sarde in Saor

sard_saor.jpg(317462 byte) 揚げた小イワシをしっかりと炒めたタマネギをビネガーで煮たものとともに漬けた料理。
ヴェネツィア料理の最も伝統的なもので、サオル(saor)はサポーレ (sapore)のことを言います。サポーレとはイタリア語で「香り」という意味のですので、この料理は「香り漬け」ということが言えます。
もともとは、ヴェネツィアの漁師の料理で、獲った魚をいかに長期間美味しく食べるか、という保存目的のために考えられました。タマネギにしっかりと火を通すうえ、酢とオイルもたっぷり、漁や航海においての保存食として、さらには日常の食卓にも欠かせない皿であったことが想像できます。
現在では、イワシを使った「サルデ・イン・サオル」が最も有名ですが、もともとはイワシだけではなく、ラグーナ(ヴェネツィアの潟)で獲れる雑魚(小さな魚のことを総称してペッショリーネと言う)、そして季節の野菜(カボチャやズッキーニなど)も同様の調理法にて、応用されます。

フェガト・アッラ・ヴェネツィアーナ/Fegato alla Veneziana

fegato_ve.jpg(289685 byte) ヴェネツィア風と名のついたこの料理は、仔牛のレバーをタマネギと炒め合わせた料理です。レバーと同量に近い大量のタマネギを使用するので、主役はレバーだけでなく、タマネギとも言えると思います。
レバーの臭みをとるために大量のタマネギを使用したとされており、このタマネギもヴェネツィアの近郊、キオッジャにて採れるもの。
ヴェネツィアの肉料理として、家庭でもレストランでも非常に親しまれる料理です。

バッカラ(干タラ)料理/Baccalà

バッカラとは、ガッチガチに寒風乾燥した大型のメルルーサのことを指します。中世のヴェネツィア共和国のドージェが航海の際に漂流した北欧で見つけたものを持ちかえったのがヴェネトでバッカラ料理が定着した始まりだといわれています。
baccala_vi.jpg(249084 byte) baccala_ma.jpg(329655 byte) バッカラ料理で特にヴェネト地方において代表的なのが、バッカラ・マンテカートBaccalà Mantecatoバッカラ・アッラ・ヴィチェンティーナBaccalà alla Vicentinaです。
前者は、茹でたバッカラを少しづつオイルを加えながら攪拌し、白いぽってりとしたパテ状にしたもの。ヴィチェンツァ風といわれる後者は、タマネギ、アンチョビなどとともに牛乳とオイルで長時間煮込んだ料理です。
実はヴェネトで呼ばれているバッカラとは、実際にはバッカラではなくストカフィッソといわれるもの。バッカラは魚を開いて塩漬けにしてから乾燥したものですが、ストカフィッソは魚をそのまま寒風干ししたものを指します。ヴェネトでは現在でもこれらが混同されているのもおもしろいところ。
ちなみにこの固い干し魚は、3晩も水に浸して柔らかくしてから料理する、という非常に下準備に手間ヒマかかる代物です。

米料理/Riso

risi_bisi.jpg(291991 byte) ヴェネトは米食が大変に盛んな地域です。稲作地帯の広がる地域もあり、米文化が発達しています。
季節により様々な米料理が見られますが、春にはリーズィ・エ・ビーズィRisi e Bisi(えんどう豆のリゾット)が有名。リーズィ=米(リーゾ)、ビーズィ=えんどう豆(ピゼッリ)からヴェェネト訛りの料理名ですが、ここではこの名で親しまれ、サヤつきのえんどう豆がメルカートで山積みになる季節には、誰もが一度とは言わず数度は口にする地元料理です。
他、季節野菜の代表的なリゾットといえば、夏から晩秋にかけてのカボチャ、冬のラディッキオなどがあげられ、海沿岸地方では魚介を使ったものはもちろんですがヴェネツィア・ブラーノ島などの、小さなボラの一種、ゴーGo`という魚を使ったリゾット(リゾット・アル・ゴーRisotto al Go`)は土地ならではのもの。
パドヴァ周辺では、ガッリーナ(雌鶏)または鶏の肉や内臓までも一緒に米と料理するリゾットがあり、パドヴァ風(リゾット・アッラ・パドヴァーナRisotto alla Padovana)と名付けられています。

パスタ・エ・ファジョーリ/Pasta e Fagioli

pasta_fag.jpg(284814 byte) インゲン豆のパスタです。
インゲン豆を使ったパスタはイタリア各地に存在しますが、ヴェネトでは特に北部ベッルーノで収穫される赤と白のまだら模様のラモン種という大粒のインゲン豆が有名です。
ここでは、これらを野菜などと一緒に煮てから裏濾したものにパスタを加えていただきます。優しい素朴な美味しさです。

ビーゴリ/Bigoli

bigoli_salsa.jpg(385516 byte) bigoli_salsa.jpg(385516 byte) ビゴリBigoliとは、ヴェネト特有の太いスパゲティ状のパスタです。
非常に太くて食べ応えのあるものですので、合わせるソースもしっかりとしたもの。代表的なものは2種あり、カモの煮込みソースで食べるビーゴリ・コン・ラグー・ダーナトラBigoli con Ragu' d'Anatraか、アンチョビとタマネギのソースとあえるビーゴリ・イン・サルサBigoli in Salsaが有名です。

ボッリート/Bollito

bollito.jpg(284787 byte) ボッリートとは、茹で肉のことを指します。
ここでは、パドヴァ郊外のパドヴァ鶏を使ったボッリートが有名ですが、一般には、牛や豚の各部位、鶏などを茹でたボッリート・ミストBollito mistoとして、特に冬に好まれる料理。
果物をマスタード・エッセンスの効いたシロップ煮したモスタルダや西洋ワサビ(クラン)をおろして酢漬けにしたもの、またはサルサ・ヴェルデなどでいただきます。